石笑 辛一

肝和休大胃

今日は梅雨休みで、カッと晴れて32℃。父の日に娘からもらったクール・バンドを首にまいて、ポスティングのバイトをしようと思ったが夕方からにして……。

① 『70代三人娘、元気の秘訣』 俵萠子・吉武輝子・樋口恵子(2007年,講談社+α新書)
② 『誰か「戦前」を知らないか―夏彦迷惑問答 』 山本夏彦(1999,文春新書)」

養老孟司氏によると、これからの日本を元気にするのは、オバサンたちであって、サムライじゃない。そういえば身の廻りみても、未亡人たちがハツラツとしている。それに対し、オヤジたちはどうもアカンなぁー。

それと今の日本人全般が、昔の日本の歴史・文化や暮らしを知らなすぎる。このところ、たてつづけに日本人論・日本文化史の本を読んでいる。大方は自己否定的である。特に戦前は暗かった。ニホン人は悪虐非道だった。隣国の韓国・中国に謝罪せよ、といった論調。これに対し、近頃は日本肯定論者が少なからず立ち上がってきた。いたずらに過去を讃美するのではなく、あくまでバランスのとれた見方が必要である。

山本夏彦(1915~2002)
小林信彦(1932~ )
久世光彦(1935~2006)
矢野誠一(1935~ )

のエッセイがなつかしい。
②は山本夏彦の著(1999年10月)で、『百年分を一時間で』(2000年10月,文春新書)が続編にあたる。山本が没して久世(光彦)が引き継いだ『昭和恋々(一)(二)』がめっぽう愉しく、久世の『マイ・ラスト・ソング(一)(二)』も絶品。

(この世の見納めに最後に聞いてみたい唄は? という架空の設問に答えた内容で「黒の舟歌」や「みんな夢の中」が出てくる。必ずしも名曲・名作にあらず、あなた=ぼくにとっての「この一曲」である)

矢野氏は伝統芸評論家。『人生読本・落語版』(2008年4月,岩波新書)は滋味深い。よわい70ともなると、一応来し方、今の時点を総括、または検分したくなるらしく、多少先輩や諸賢方の見解を探ねたくなる。

養老氏は以前に「唯脳論」「脳の冒険」を読んでいたが、今いちよくわからなかった。が、脳が大事というのではなく、現代社会の「大脳化」が問題、と言っているのだネ。20世紀はひたすら「大脳化」へと突っ走っていった。結果が情報化社会であり、地球環境問題であり、少子高齢化であり、キレやすい子ども、犯罪の若年化……云々。
ではどうしたらいいのか、処方箋=答えは?

小学生・中学生たちとの問答集『バカなおとなにならない脳』(理論社)、爆笑問題の太田光が養老氏に尋ねる『人生の疑問に答えます』(新潮文庫)によれば、たまに10分でもいいから、花鳥風月・虫たちを観なさい。そして、できるだけカラダを動かしなさい、という。

まだ読んでないが、糸井重里が吉本隆明に問う本、元文化庁長官で心理療法家の故・河合隼雄氏の対談集もこれから開いてみたい。知らないことを聞くのは一時の恥で、どんな小さなギモンもあやふやなままにせず、いつか解ける、分かる時があるもので、老年のたのしみはコレである。若い頃の書物をもう一度読み直すと、まるで別物のような発見がある。また好きなジャンルが広がってゆく。

大人こそ絵本を、もう一度伝記を・・・。今さらヘレン・ケラー、グリム童話、ロビンソン・クルーソー? 古典とは名だけは知られていて、内実読まれず、知ってるつもりになっているものをいうが、もったいない。

昭和も遠くなったが、明治~江戸を知らずに昭和・平成もない。自分の世代ばかりでなく、上や下の世代・時代をもっと知るべき。また日本人として、これまでの個人史や記憶を大切にしたいもので、知らないことを知り、忘れられてるコト・モノ・ヒトを発見・発掘する喜びはトシとればこそであり、ワクワクする。