築地 政男

“休日は茶畑で”-おいしいお茶を作ろうと思った 1

私は会社員の傍ら休日を利用して緑茶の自園自製から直売を手掛けています。一般的には「日曜農家」というのでしょうか。私の場合、野菜は母に任せ、補助的な作業しか出来ません。休日だけでは正直なところ茶園管理には時間が足りません。何人かの叔父の力も借りて、また母の同級生の方々のアドバイス等により現在に至っています。私が二足のわらじをはくキッカケとなったのは父の急逝でした。畑の9割以上が茶園で、ほとんどが車を横付け出来ない山の斜面ばかりです。農業を諦めるのは簡単なことです。しかし、荒らせば近隣の方に迷惑を掛けることになる。自分のやれる範囲で「お茶作り」をやってみようと一年発起して始めたのです。中学生の頃から手鋏でお茶を刈ったり、肥料を運ぶ程度のことしか手伝ってこなかったので、荒茶を製造する過程は無知に近い状況でした。一年目は謝礼金を用意して旧知の先輩を招いて茶工場(個人)の機械の使い方から掃除のことまで学んだり、生葉(なまは)の摘採、その後の管理のために使用する茶刈機のこと、施肥のこと、防除のこと等、またたく間に過ぎた一年でした。その後は、凍霜害・アカダニによる被害なども経験しました。たった4年ではありますが、市場価格の下落傾向だとか、機械の大型化など山間部の零細な兼業農家は淘汰されていくのかなと不安になります。これから茶業を続けていく方向づけを自分なりに持って実践するしかないと自分に言い聞かせています。

その方向付けとは「無農薬」「減化学肥料」で栽培し、販売は農協を通じた市場販売を止めて、別の独自のルートを開拓するということです。本当に「言うは易し、行うは難し」ですが、試行錯誤しながら実践している最中といったところです。そんな状況で手引書とでも言う雑誌が、生前に父が購読していた農文協の「現代農業」です。専門的な記事は難解ではありますが、百に一つのヒントでもと考え、藁をもすがる思いで買い求めています。
まだ茶園管理の実践も緒についたばかりであり、果たして自分の方法が適正であるのか、また顧客もどう増やせばいいか難問は壁のように(オーバーに聞こえるでしょうね?)立ちはだかっていますが、初心の自分のやれる範囲でコツコツと進めていくつもりです。こうして今続けていけるのも、タイミングとして子どもたちに手がかからなくなったこと、協力してくれる多くの方々と家族の存在、環境や健康に配慮する農家が求められているなど、やりがいを感じること。そして職場が完全ではありませんが、土日の休みが増えてきたことなどが挙げられます。
こんな環境に感謝しつつ、今回はこれにて失礼します。