石笑 辛一

星の老子(おうじ)より、14歳のキミへ

講談社コミックプラス</a>から刊行中「水木しげる漫画大全集」表紙写真

講談社コミックプラスから刊行中「水木しげる漫画大全集」(京極夏彦・責任編集)


 「ちょいと人生かくれんぼ、馬鹿な俺だよ、千鳥足・・・」(五木ひろし「人生かくれんぼ」1981年)

このところ連日、朝ガヤガヤ(阿佐ヶ谷)→ブロードウエイ(中野)→純情商店街(高円寺)をぶらぶら、いや徘徊し、『タバコを7日でやめる本』とか『水木しげる読本』や『ウンチのうんちく』等を漁り求め、また「ご自由にお持ち帰り下さい」ってんで、ぬいぐるみやでっかいカンバスと画用紙を拾って来たりするので、(ゲゲゲじゃない)ガガガのわが女房からは、

「アンタもお母さんに似てきたわネエ。我楽多の石ころや木の葉っぱ、小皿をよく拾って来る・・・」云々と。

だがね、酒呑むな、酒呑むなぁのご意見なれどヨイヨイで、『日本の民話』(全10巻;角川書店=野坂昭如+松谷みよ子編、絶版・古書稀少)や25,000円のモーツアルト(飛鳥書房新社創立30周年記念出版・全3巻=1905~1955年のSPレコード名盤完全復刻CD)も買ったぞ。

また、ついに発見! 『カルミナ・ブラーナ』(オルフ作曲の世俗カンタータ集)もGET。早速聴いてみたら、ウ~ン、こりゃなんじゃ、ガヤガヤニギヤカなこと。こいつぁ春から縁起がよいわいなあ~。

ふと気まぐれに、63年前の日記帖を開いてみたら、当時14歳の中学生だったボクは多情佛心(?)でありました。今で言うノイローゼ・ウツになり、15~16歳と、親に隠れて精神矯正に通い、宗教に入門しようとしたり、良からぬ映画・小説に耽ったりと・・・。いや詳細は、やはり辛いので省いておく。

当時の世相はと言えば、テレビ放送が始まり、青山に本邦初のスーパーマーケットがオープン。力道山プロレスが大人気で、歌は『君の名は』に『お富さん』。映画は『ローマの休日』『風と共に去りぬ』『波止場』『二十四の瞳』。
そうそう!『禁じられた遊び』も忘れちゃあ困る。先日、久しぶりに観たが、もう1リットルの涙だった。

そう言えば、いま、子どもたちがあぶない。
いじめで中学1年生が殺されたり、進路指導の間違いで中学3年生が自殺したり、抵抗力もない幼児を虐待の果てに殺す幼稚な親も後を絶たない。一方、お年寄り達も。詐欺で虎の子を奪われたり、老・老介護に疲れで夫が妻を絞殺したり、はたまたキレやすくなったり、暴走運転したりして・・・。いわゆる社会的弱者があぶない時代。

唐突ですが、あなたは水木しげるはお好きですか? ボク自身は、水木の絵は好きじゃないが、人間性・生き方は大いに尊敬できる。エッケ・ホモ(Ecce Homo:=この人を見よ)なのだ。
水木のメッセージは、ひと言で言うなら「目に見えない世界を信じろ」也。ひょっとして現代の世阿弥ではないか? 現代人はかたちあるモノ、目に見えるものしか信じようとしないが、『星の王子さま』の著者・サン=テグジュペリも言っている。「本当に大切なものは目に見えない」のだよ。

時代はいま、脳で処理する知識・情報よりも「身体知」を必要としている。見えない世界を知ることができるのは、キミの「身体」だ。身体知をもって処する術を得て欲しい。別言すれば「粋」な生き方というものを。