海野 清

「日曜美術館30年展」図録 ~古書店・本日休館コレクション ★ この一冊 No.5

「NHK日曜美術館30年展」図録と目録の画像

 2007年の8月21日、静岡県立美術館にて開催されていた<名品と映像でたどる、とっておきの美術案内「NHK日曜美術館30年展」>に出かけた折の展覧会図録です。この冊子は入手しようとすれば、現在でも比較的容易にできると思います。

8月21日は「静岡県民の日」で、入場は無料だったと思います。あらためて出品リストをみると、錚々たる作家たちの物凄い作品ばかりだったのですが、その日、わたしの眼に焼きついて離れなかったのは、関根正二『子供』の、目が眩むような、まぶしいくらいの「朱」でした。

この絵は入口から近いところに展示されていたので、その後、たくさんの作家の作品を順に見て歩きましたが、ずっと「朱」の残像が消えないままでした。他の作品の印象が薄いのは、多分、そのせいだったと思います。

あとになって、「関根のバーミリオン」という言葉を知りました。貧窮の中、20歳という若さで逝った関根正二。画家としての「強いマグマ」を感じさせるようなその朱=バーミリオンのせいか、素朴な表情をした子供が高貴さを感じさせます。

あたりまえの事ですが、この時、日本にも素晴らしい画家がたくさんいるなあと思い、まだ知らない画家、その作品をもっともっと見たい、そんな気持ちを強く抱えて帰ってきました。

「NHK日曜美術館30年展」開催概要
・東京展:東京藝術大学美術館  2006年9月9日~10月15日
・京都展:京都文化博物館  2006年12月13日~2007年1月21日
・広島展:広島県立美術館  2007年2月15日~3月25日
・盛岡展:岩手県立美術館  2007年4月7日~5月13日
・長崎展:長崎県美術館   2007年5月26日~7月1日
・静岡展:静岡県立美術館  2007年7月24日~8月31日