築地 政男

“休日は茶畑で”-おいしいお茶を作ろうと思った その2

今回も主に休日を利用した茶作りに関わる脈絡のない文章を綴らせていただきます。

裏山の傾斜が急で足場も悪い茶畑は、手摘み専用にしています。地元では早く芽が伸びる地形にあるお蔭で、八十八夜に製茶し翌日袋詰めできました。10人程のお茶摘みさんを頼んでいますが、高齢化の波はひたひたと寄せて来ています。最高齢は今でも自転車に乗る86歳の方で、若い方でも70歳であります。経験者の方が収量を計算できるので、このメンバーがいつまで続けられるのか不安な要素ではあります。さて、その茶畑のすぐ上に栗の木が植えられて20年が経過しました。かつては秋の味覚を楽しませてくれたのが夢のようになりました。それは夏の真っ盛りにまだ青い毬を枝ごと折って落としてしまう猿の群れによる被害が出るようになったためです。猿以外の様ざまな被害も一年を通して日常化しています。

NHKの番組で木を低く仕立てて高齢者でも容易に作業できるような取り組みが紹介されていました。高くなった栗の木から落ちる葉が茶園にかかるのを減らしたいという点、栗の木を切り倒して土留め用の資材に利用したり、3年余りしかもたないけれど太い部分はしいたけの種駒を打って収穫を楽しみたい。以上の点から10本以上ある栗の木をチェーンソーで切り倒し、枝を落して整理する。これを地元では「まるめる」といいます。その手間は1日ではとても終わりませんでした。切り倒すにしても茶園に落して茶の木を傷めないように、ワイヤーとチリホールを使って作業をするのですが、初めて使う上に教えてくれる人もいないので、考えながら試しながら一人であちこちと動くので冬なのに結構な汗(冷や汗も含めて)をかいてしまいました。栗の木は表面から腐ってしまいますが、芯が残りそれを「さなれ」と地元では呼んでいます。切り株からはやがて芽が出て伸びて枝となる、はずです。細いうちに上に伸びて行かないように紐で固定して剪定して、網で囲う予定でいます。
冬から春へと新茶摘採の準備のひとつに、猪が荒らして土を落した場所の足場の補強作業があります。一息ついて休んでいたところ、「ブーン」と静かにチョット不気味な音が徐々に近づいてくるではありませんか! 背後を振返って見ていたら黒い50センチ以上の固まりが2~3メートル先の足場の板の下に潜り込んで止まったのです。やや後ずさりしたのですが、恐る恐る近づいてみると蜜蜂、いやきっと蜜蜂だろうと思い、山を急いで下りてその筋?の方に連絡して来てもらい処理して頂きました。西洋蜜蜂と違い日本蜜蜂は攻撃的ではないのでやたらと刺すことはないそうです。ただそれでも白の服装と白の帽子が良いそうです。そういう私は紺の上下に黒の帽子を手にしていました。いつの間にか首のあたりから入り込んだ蜂を慌てて出して頭頂部を2箇所刺されてしまいましたが、すぐ薬を塗ったら意外と痛みは早く治まりました。この蜜蜂の行動を「分封」というのだそうですが、10日後京都で信号機に群がる蜂の群れがニュースに流れたのでその時季であることを改めて感じたことでした。因みに8月のお盆のころには蜂蜜が摂れるそうです。

5月2日(水)は昼間に摘んだお茶を夕方から製茶を始め、ふと茶工場の窓から外を見ると月明かりが見えました。披露するのは憚るのですが一首思い付きました。”満月に繰り返しの音ガチャコンと 仕上げ近づく八十八夜”お粗末です。

会社員の傍らでは2番茶は無理です。5月で新茶の製茶は終了です。6月は草取りの合間に土作りのためのEM菌を使った堆肥を準備します。今は手っ取り早くEM菌を利用しているけれど、種菌に土着菌らしきものを拾ってきて、米糠・野菜ごみ・糖蜜を混ぜて醗酵できたこともあるので、そうした極力お金を使わない方法に切り替えて行きたいと考えています。肥料にしても配合肥料は単体で購入して自前で配合すれば、コストダウンできるのでは? とも考えています。来年の新茶に向けた作業は既に始まっています。