築地 政男

さあ、今年のお茶作りが始まった

静岡清沢地区春景色

静岡清沢地区春景色。桜が咲くと新茶栽培も本番。

 今年も緑茶の製造と販売に向けて、1月から3月上旬にかけて有機肥料を施しました。3分の1は無料で手に入れている醗酵済みの米糠です。去年から少しずつ使っているのですが、結果にどう出てくれるのか楽しみです。以前は堆肥を作っていたのですが、体力的にも時間的にも限界を感じていたところに縁あって紹介して頂き、しかも無料とのこと。渡りに船とお期待しているのですが、さてどうなるか。今は結果を見てからでないと何ともいえませんね。

 3月22日は一番早く成長する茶畑に化成肥料を施してきました。ただ、そこへ登る道が昨年の台風で通れなくなってしままったので、放棄茶園にしている近所の方に了解を頂いて、伸びた茶樹の枝を伐採して新ルートを確保しました。

 母も妻も「そこは急坂で大変だから止めたら?」と言うのですが、この2年続きで寒害に遭いながらこの茶畑は大した被害を受けず、「助けられた」という思いがあるので諦めきれません。いよいよ肥料を担ぎ上げることが出来なくなったら、その時は決断の時と思います。ただ、家族の心配ももっともなので、今年の需要状況次第では縮小して負担を減らそうか・・・、とも考えています。

急坂の茶畑と新ルートの画像

急坂の茶畑へ向かう新ルートを切りひらいた。



 ところで、「本日休館」の私の文章を、40年近く前に縁のあった方が読んでくださり、手紙を頂き、年賀状も頂きました。久しぶりに感激しました。
 以前に記した通り、文才も無い、鋭い考えも切り口も見せられるわけでもないのに、正直なところ人様に自分の思いを吐露してどうなるわけでもないのにとも思い、実のところ、こうして綴る意味も見出せないまま、たびたびデータ保存を拒否するパソコン(多分、自分の操作ミスや無知によるのでしょうが・・)と悪戦苦闘しながら、館主さんのリクエストを断れないお人好し?な自分にため息をつきながら・・・というのがホンネです。でも、思いがけずこんな便りを頂けるのは望外の収穫というか、嬉しい果実でした。

 思いがけずと言えばもうひとつ。20代の頃に「歯医者と床屋はやたら代えるもんじゃねー」と言われ、真に受けて35年通い続けている理容店の主人から「今まで買っていたお茶農家が廃業するからよそを探してと言われたんだけど、お茶作ってるんだよね、売ってくれない?」と。量は未知数ですが、去年も一人新しく買い始めてくれた方がいて、ありがたいことです。

 できる限り誠実に作り続けること、売り続けることで、思わぬところで助けてくれる人が現れるものだということを、お茶作りを初めてたかだか12年の間の幾つもの出会いから経験してきました。それが今も進行形であることに、自然と感謝の気持ちが湧き、雷が鳴って雨も順調に降って、今年こそ低温に影響されないよう八十八夜に製茶できることを祈っています。
 「満月に繰り返しの音ガチャコンと仕上げ近づく八十八夜」と、また蒸し機の部品を洗いながら詠えれば幸い、と。