石笑 辛一

気持ち良くなる脳内妙薬製造工場

「ガマの油からLSDまで-陶酔と幻覚の文化」(石川元助・第三書館/1990)
本書は1965年に毎日新聞社より「毒薬」として出版されたものの復刻・増補版。著者(1913~1981)は民族毒物文化の研究に一生を捧げた人で、マヤクを魔薬として恐れられ撲滅すべき対象としてではなく、民族の暮らしに根ざした文化として、また、人間性の本質の表現として捉えるべきと主張してやまない。近くの図書館の処分本で、無料でゲットできたお宝本でっせ。
急に”毒書”に関心がわき「毒草100種」「毒草を食べてみた」を借りたり、古書屋で「毒薬の手帖」(渋澤龍彦・河出文庫)、「毒薬としての文学」(倉橋由美子・講談社文芸文庫)を購入。また「麻薬・脳・文明」(大木幸介・カッパブックス)を読み直した。ニンゲンとは、快感物質(ホルモン・神経)、即ち”マヤクの依存者”也、は間違いないようだ。

「ナチュラルハイ-わたしを超えるわたし」(上野桂一・ちくま文庫/1996)
「健・幸革命」(春山茂雄・ザネット出版/1997)
20世紀はM・A・Dを発見した。無意識のこころ(Mind)、原子力(ATOM)、そして遺伝子(DNA)。まさにMad=気狂いじみてるよ。21世紀は「M・A・D」をいかにのり越えてゆくかが課題。サテ、有名になった”脳内マヤク”だが、これを上手に利用活用することで、「ハイ」になれる。病は気からという古き東洋医学のチエは、脳内快感ホルモンで説明できる。 “一怒一老・一笑一若”不安で怒ればストレスホルモンが、プラス思考で笑って迎えれば若返りホルモンが出る。あなたならどうする。D(どこで)N(ナニして)A(遊ぶ)? 但し、くれぐれも留意すべきは、セックスや暴力の快感と”幸福感”を混同しないこと。また、性急でインスタントなハイを求めてはならない。あくまで、ナチュラル・ウェルネス・ハッピネスでなければ。

「武蔵とイチロー」(高岡英夫・小学館文庫/2003)
「整体的生活術」(三枝誠・ちくま文庫/2005)
「自然体のつくり方」(齋藤孝・太郎次郎社/2001)
カラダは空(から)だ。内臓がぎっしり詰まっているなんて西洋解剖学的人体像はきっぱり忘れ、気体・風体とみなした方がいい。齋藤は高岡の弟子。2000年に出した「身体感覚を取り戻す-ハラ・腰文化の再生」(NHKブックス)の中で、キーワードとして”昭和の子ども”の復権を強調しているが、十分に説得力がある。甲野善紀・養老孟司対談「自分の頭と身体(からだ)を考える」(PHP文庫/2002)など、近年、古武術の見直しや、身体論が多く出てきているのは喜ばしい。しかしまあ、イチローをはじめ、”チョー気持ちいい”の北島(水泳)や、ハンカチ王子・斎藤やら、ハニカミ王子・石川少年の出現と活躍をみていると、アッシも嬉しくなるヨ……トンカチ老子(おうじ)より 繰り返すと、アルコールもマヤクだが、飲み方次第で気ちがい水とも、命の水ともなるように、脳内にも素晴らしい気持ち良くなる妙薬製造工場があるのだから、せいぜい活用利用しよう。